田中
自分でお店を出そうと思われたきっかけなどお聞かせ下さい。
楠本氏
31歳まで16区にいましたので、30過ぎた頃からはもう「数年後には独立出来たらいいなあ」という思いはありました。
でもそういうのはタイミングもあるので、たまたまその時期に独立出来たという感じですね。
僕の父はずっと転勤族で千葉や大阪など転々としていたのですが、生まれたのも高校を卒業したのも北九州だったので
北九州が地元という感覚があり、店を出すなら北九州にしたいと場所を探しました。
そして決めた店の場所が今の所から500メートルくらいの、小倉北区の中心に近い所で、はじめは郊外に出そうと思っていたのですが、
なんとなく北九州という土地柄を自分が感じている中で、お店の名前が広まるのも、やはり中心に近い方が早いかな、
との思いがあったんです。
それで1998年1月32歳の時に旧店舗の場所にオープンしました。
田中
オープンの時は何人でやっていらしたんですか?また、オープン当初はどうでしたか?
楠本氏
アルバイト、販売スタッフ、自分と嫁さんも全部含めると、10人くらい、製造が自分を入れて4人です。
1日に10万切る日もあり、大丈夫かなと思う日もありました。
自分がいた16区はとってもお客様が多いお店でしたので、自分でお店を出してみるとお客様の来店数など全然違うので、お客様が店にいない時間が非常に長く感じました。
お客様に来て頂けるのが本当に有り難いという思いでいっぱいでした。
今日はお客様来てくれるかな〜と、いつもドキドキしながら店を開けていました。
ケーキを作っては捨て、作っては捨て、という頃もありました。
田中
オープン当初はメインの商品は何かありました?
楠本氏
いいえ、オープンの頃はメインの商品はありませんでした。
ただ、口コミでだんだんロールケーキが売れるようになってきて、今ではロールケーキがうちの看板商品です。
シュークリームやケーキはひと通り全部出していましたが、ロールケーキが売れるようになればいいなとは、強く思ってはいませんでした。
田中
それではロールケーキが売れるようになって、相乗効果で他のケーキも売れるようになったんですね。
楠本氏
そうですね、きっかけはロールケーキですね。
だいたい3年目でぐぐっと売れ始めました。
オープンしてから最初の2年くらいは、やっぱり試行錯誤の連続で、商品構成を変えてみたりだとか色んな事をしましたけど
とっても苦しい2年間でした。
3年目から上がり始めました。ロールケーキが引っ張っていった感じですね。
田中
お店の名前はやはりオーナーの名前から?
楠本氏
そうです。本当は自分の名前を付けたかったんですけど、普通に克実だとインパクトがないので、お菓子屋さんっぽく、
果物を摘むというので当て字で「果摘」としました。オープンした時からこの名前です。
田中
こちらに移転されたのはいつですか?こちらに移ろうと思ったのは何故ですか? |